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■春の同人読書週間①~NAGIMISO・SYS■
2008-03-24-Mon  CATEGORY: 書籍

「全ての初音ミクFANは必ず読むように」

極めて強引なタイトルで始まる紹介ですが 筆者の編集長は義務感にも似た強い確信を持って今回の本「みくよん」を全てのミクファンにお薦めしたいと思います

080324a「みくよん」NAGIMISO・SYS
先日開催された「ボーマス」こと
「THE VOC@LOiD M@STER3」にて頒布された「なぎみそ」さんの個人誌でBlogにて発表された4コマ形式のオリジナル作品をまとめた同人誌です
A5サイズ・150ページのボリュームのある本ですが凄い速度で読めます それもそのはず…台詞が殆ど無い無言劇にちかいスタイルで描かれた物語だからです

物語は「クリプトン」のラボ(と近所の「宿舎」)で暮らすミクの日常から始まります
ある日…ミクはラボから送り出されてバスや飛行機を乗り継いである老婦人の屋敷へ向かうことになります
しかし会話能力が未熟なミクはバスで料金を支払うのも空港で行先を確認するのも一苦労です あまつさえ荷物と航空券を盗まれてしまっても警備員にそれを上手く説明することも出来ません しかしミクの窮状を知った親切なカップルの車に同乗して目的地の近くまで行けることになりました
カップルは車で各地を放浪しつつ酒場やライブハウスで演奏をしながら暮らしており 道中で立ち寄った「LAMA'S BAR」でミクは初めて人の前で歌う経験をしました

ラボから一人で送り出され…身よりも無く…持ち物も全て盗まれて…世界に一人ぼっちで立ち向かわなければならなかったミクを短い時間の中でも支え…励まし続けた二人…彼と彼女はミクの兄弟にあたる「KAITO」と「MEIKO」だったのです

二人と分かれたミクは山中に世間と隔絶するように孤立する屋敷へ迎えられます 屋敷に一人で暮らす老婦人はミクを調律するために「ミクを買った」のです 老婦人と暮らす日々はミクにとって次第に世界の全てになってゆきます 調律も…婦人との散策も…毎日の食事も…鉢植えの世話でさえミクには「自身を包む世界の欠かせないパーツ」となってしまったのです

ある日…ミクは屋敷の片隅でミクと良く似た少女と老婦人の写真を見つけます それは老婦人が失った魂でもあり…彼女の実の娘の生前の姿だったのです しかしミクは老婦人に少女のことを問う事もなく婦人との日々の暮らしを大切に…大切にしていきましたが健康を害していた老婦人との別れがやってきました

老婦人の葬儀の後…自分を包んでくれた…「静かで暖かな世界」を失ない…
かつて見た画の天使のように一人で雪をいただく高山に登ってゆくミクの姿は悲愴です
髪の毛も…肌も氷に覆われ…衣服は途中の岩肌や枯れ木に引き裂かれてボロボロになり…その姿と同様にミクの心も氷に覆われて死にかかっているのです

しかしミクは彼女の全てが壊れる前に「クリプトン」が派遣した捜索隊に救助されてラボに連れ戻されます 体の傷は治療することが出来ましたが…今のミクに「存在し続ける」理由があるのでしょうか…心を閉ざすミクの手元に1通の郵便が届けられます
それは死の直前に老婦人がミクに当てて送り出したデータディスクでした
そこに映し出された内容は…若かった老婦人が「クリプトン」で完成前の「ボーカロイド」の調律を担当していた様子を写したものでした

未だ完成していない「KAITO」や「MEIKO」が調整や調律に苦しむ姿

初期のボーカロイド達が披露されて売却される様子

自身の妊娠と生まれた娘

幼い娘がボーカロイドと共に調律される悲痛な映像…

…そして娘の調律が上手く行かないことに腹を立てた彼女は
「ボーカロイドに出来て!何故あなたに出来ない!」と娘を責めるのです

その結果…娘は自ら幼い命を絶ち…自身は調律師として…社会人としての生命を絶たれたのです
全てに絶望した彼女は「クリプトン」と「世間」から逃げるように屋敷へ向かいました
屋敷に到着して一人になったときに…初めて彼女の頬を涙が伝います

それは失われた娘への涙

自身の過信を思い知らされた涙

そしてボーカロイドへの責任を果せなかった贖罪の涙だったのでしょう

データディスクの最後には 老婦人がミクを連れて小さな学校へ出かけた時の様子が映し出されます
ピアノを弾く老婦人
子供たちの前で懸命に合唱の指揮をするミク
そのミクを見る老婦人の微笑みは…ミクによって自身の罪に赦しを得た安堵の表情のように見えました




データをすべて見終えたミクの頬にも涙が伝います
ミクはこのときになって初めて…自分の存在意義と…知らずに暮らした本当の生みの親の愛情を知ったのです

エピローグは老いて命の残りも少なくなったミクが…出会いと…別れを思い出しながら…かつての自分と良く似た次世代の「ミク」の歌声に包まれてゆく様子を描いています

ミクはここにいた

ミクは歌い続ける

出会った全ての人に歌を送り続ける彼女の姿をどうして忘れることが出来るでしょうか



「みくよん」
四コマ漫画の体裁を借りた美しい物語
あらゆる同人誌読みの人生において10年に1冊出会えるか分からない傑作です


一読を強くお薦めします

なお上記のストーリー紹介はある意味…紹介になっていません それはこの作品が「台詞が殆ど無い」無言劇のため物語の解釈を自分の想像でいくらでも変えられるからです
たとえば最後のビデオレターも「映像」で語られているのか「老婦人の独白」で語られているのか判然としない部分があります
じつは作者の「なぎみそ」さんも「無言劇」の難しさを考慮して巻末にそれぞれのページに関して補足の意味合いもあるコメントを細かくつけているのです(実は編集長はこのコメントをまだ読んでいません) もちろんそれを全部読めば物語の解釈も作者の意図するところも勘違いせずに把握できると思いますが…

先ずは展開される絵物語を自身の創造で補完しながら読んでみてください

きっと素晴らしい世界が開けることでしょう
そして今までより100倍もミクが愛しく思えるようになるでしょう


作者の「なぎみそ」さんに心からの感謝を

ありがとう

ミクを描いてくれて

本にしてくれて

素晴らしい世界を垣間見せてくれて

全てのミクファンに幸あらんことを…
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