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■この「ゴルゴ13」を読んでくれ■
2018-01-25-Thu  CATEGORY: 書籍

「変わり続けるゴルゴのキャラクター」

ゴルゴ13を語るなど、おこがましいにも程がある…とは思いますが、この数年のキャラクターの変化が予想外だったので、ちょっと書いてみたいと思います。

劇画「ゴルゴ13」は何種類かの体裁で書籍が発売されています。その中で雑誌に掲載されたエピソードが一番早く書籍化されるシリーズが「特集ゴルゴ13シリーズ」という、今で言う「コンビニコミック」の元祖とも言えるシリーズです。最新刊もセブン等のコンビニや駅のキオスクで販売されています(一般の書店では販路が違うため販売されていません)。最新刊は1月13日発売の198巻になります。



さて隔月で発売されている、このシリーズですが191巻(2016年4月13日発売号)に掲載されたエピソードに「もうひとりのプロフェッショナル」があります。これはアラスカでの狙撃を請け負ったゴルゴ13が北極熊を狩る老ハンターに出会う物語です。

このエピソードの中で老ハンターが自身の限界を悟り狩りから引退するとゴルゴに告げるシーンがあります。それまで黙って聞いていたゴルゴが老ハンターの去り際に「本当に辞められるのか?」と尋ねるシーンがあるのです。

このゴルゴの問いは間違いなくゴルゴ自身への自問なのです。はたして自分は狙撃や殺しという生き方を辞められるのかと。
人は老いることによって、誰でも今までと違う生き方を選択しなければならなくなる日が来ます。ゴルゴも例外ではありません。その時が来たとき、自分には他の生き方が何かあるのか…そのような葛藤や悩みがゴルゴ自身の口から垣間見えた貴重なシーンだったと考えます。

そして最後にゴルゴが老ハンターの言葉を思い出し熱いコーヒーを飲むというシーンも、ゴルゴが自分の最後を老ハンターの最後に重ね合わせているように思えてなりません。この最後のページは余韻としてゴルゴファンには格別の味わいがあったと言えます。


さて二つ目に紹介するのが196巻(2017年7月13日発売号)に掲載されたエピソード「震える修験者」です。これはゴルゴが長年抱えている持病を克服すべく、日本の山中で長い歴史を持つ修験道の修験者に弟子入りする物語です。

ゴルゴは依頼を遂行するために、様々な特殊技能を持つスペシャリストから技を会得することが過去にも多々ありました。しかし過去のエピソードでは金を払ってコーチを依頼するという立場であり、ゴルゴと依頼者の立場は対等か上位の関係であったのですが、このエピソードではゴルゴは「弟子」として修験者に自分の命を委ねる、今までになかった従属的な立場に甘んじているのです。

叱責され、叩かれ、悪鬼羅刹と罵られながらも、ひたすら修行に打ち込むゴルゴ。物語は無防備な状態になっているゴルゴを狙って中国の特殊部隊が迫るというものですが、やはりエピソードの核心は、年老いた修験者とゴルゴの関係になります。

修験者達が集う施設修復のためゴルゴの差し出したお布施を受け取った修験者。弟子として身を預かることは拒絶したが、ゴルゴの持病を見抜き、それを克服するための修行を請け負います。修行の日々を共に過ごすうちに、ゴルゴの業の深さ、多数の命を奪ってきた反面、逆に多くの人命も救ってきたことを悟り、ゴルゴへの理解を深めてゆきます。

物語の最後にゴルゴを「我が弟子」と呼び、敵の凶弾に倒れた修験者を、ゴルゴは胸に抱きつつ悲痛な表情で修験者の死を看取ります。ゴルゴが特定の人物とここまで深く心を通わせるシーンは無かったと思います。ゴルゴに関係した人物の死は良くあることであり、依頼人そのものや、たまたま行き会った第三者など多数の人々が老若男女問わずに死んできました。ゴルゴの窮地を救った人々の死ですら、過去のゴルゴにとっては重要ではなかったように描かれてきたので、このエピソードで見せるゴルゴと修験者の関係は驚きに満ちています。


最後に紹介するのは最新刊198巻(2018年1月13日発売号)に掲載されている「亡者と死臭の大地」です。

アフリカで恐ろしい病に冒されたゴルゴ。徐々に衰弱する体で敵から逃れつつ、唯一の希望であるシャーマン(呪術師)を探して彷徨います。物語は食糧確保のため「租借」と偽ってアフリカの国々から土地を奪おうとする中国の陰謀が軸になっています。

現地で反政府派を駆逐するために病原体を媒介させる虫を散布するという恐ろしい作戦に巻き込まれたゴルゴが治療法を求めて彷徨うわけですが、ゴルゴを憎っくき中国人と勘違いして付け狙うアフリカーナの女が登場します。ゴルゴが政府軍の兵士を倒したため共に逃げるハメになった女でしたが、途中で何度も危機を救われます。ようやくシャーマンを探し出した二人でしたが解毒薬の調合に足りない草を得るために、敵対する部族の支配地域に女は単身で潜入します。目当ての薬草を見つけた女でしたが、敵対部族に見つかり殺されかけたところ、追ってきたゴルゴにまたも救われます。

女の懸命な看病で奇跡的な回復を果たしたゴルゴ。依頼を完遂し、最後に女の前に現れたゴルゴ。彼は女の肩を抱き口づけをします。これはゴルゴが殆ど見せたことのない「恩」や「感謝」を越えた感情を露わにしたシーンであり、敵対部族の男達に汚されたと悲しむ女を気遣う言葉すらかけています。

ゴルゴが女を抱くのは普通のことであり、単行本に1回はセックスシーンが登場するほどですが、キスシーンは極初期のゴルゴの世界観やキャラクターが完成していない時期を除くと記憶にありません。第一話から欠かさず読んでいて、どのエピソードも記憶しているような人になら驚くことではないのかもしれませんが、20年以上前にはゴルゴの世界観と人物像はほぼ完成しているので、最新の社会情勢や化学の発展をテーマにしつつも、ゴルゴの人物像は普遍であると考えていました。

しかし今回紹介した三つのエピソードで見せたゴルゴの姿は、年月と共に変わりつつある「最強の男」が老いつつあるのを実感させてくれます。

何年もゴルゴを読んでいないという人にも、196巻の「震える修験者」は是非読んでいただきたいです。確立していたゴルゴ13というキャラクターが大きく変わり始めたのを実感できるはずです。
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